赤ちゃんの着物1歳用は男女両方に被布が使われています。
当店にもシックな着物から可愛い被布まで 数多くの着物がございます。
七五三では、被布は帯を締めない年齢である3歳で着られる方が多いです。20年位前は西の地区(東海を含めて)3歳も帯が多かったのですが最近はお子様の負担が少ない被布を着ることが全国的に一般になってきました。
ここ数年男の子にも3歳で被布をと言われる方が増えてきました。
袴よりもお子様が楽に着られることも一因でしょうか。3歳の可愛らしさは5歳の男らしさとは別物です。
5歳になると羽織袴を着用します
七五三といえば、日本の伝統行事の中でも特に華やかで、家族の思い出に残る特別な一日です。その中で、3歳の女の子が身につける「被布(ひふ)」は、ひときわ可愛らしく、また深い意味を持った衣装です。
被布とは、もともと江戸時代に女性が羽織の代わりに着用した、防寒とおしゃれを兼ね備えた上着です。肩から裾までまっすぐに落ちるシルエットと、丸みを帯びた襟元が特徴で、柔らかく優雅な印象を与えます。明治時代以降、子ども向けの晴れ着として定着し、現在では主に七五三の3歳女児の祝い着として知られるようになりました。
現代の被布は、色とりどりの絹地に美しい刺繍や絞り模様が施され、まるで小さな芸術品のようです。梅や桜、鞠、蝶など、吉祥文様がふんだんに使われており、子どもの健やかな成長や幸せを願う家族の想いが込められています。中には、母や祖母から代々受け継がれた被布を着せる家庭もあり、その一着が世代をつなぐ「家族の記憶」として大切にされています。
また、被布は着付けが比較的簡単で、帯を結ぶ必要がないため、小さな子どもにも着せやすく、着崩れもしにくいという実用的な利点もあります。こうした点からも、3歳の七五三衣装として最適な存在といえるでしょう。
忙しい現代社会において、和装をする機会は少なくなってきました。しかし、七五三という節目に被布を着ることで、子ども自身だけでなく、親や祖父母にとっても「日本の文化」と触れ合う貴重な時間となります。
洋風のアレンジを加えたモダンな被布や、レトロ柄を復刻したデザインなど、選ぶ楽しさも増しています。被布は今も昔も、子どもたちの晴れ姿を彩る大切な衣装として、その魅力を保ち続けているのです。
被布は、単なる装いではありません。そこには「無事にここまで育ってくれてありがとう」「これからも健やかに成長してほしい」という、親の深い愛情と願いが込められています。
小さな体に丁寧に着せられた被布、その姿を見つめる大人たちの目には、感謝と希望が宿ります。たった一日の装いかもしれませんが、その一日は、かけがえのない記憶として、家族の心に刻まれていきます。
日本の伝統衣装には、時代を超えて受け継がれてきた美しさと意味があります。被布もその一つ。七五三という特別な日を彩るこの衣装は、単なる「可愛さ」ではなく、文化と想いの詰まった一着です。
これからも、私たちは子どもたちに被布を通して日本の美意識や家族の絆を伝えていくことでしょう。時代が変わっても、想いを形にするこの美しい風習が、未来へと続いていくことを願ってやみません。