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2025.06.28

犬張子とは?

犬は古来より安産の象徴とされており、それは犬が比較的短い妊娠期間で多くの子を産み、しかも安産であることに由来しています。そのため、妊婦への贈り物や、子どもが生まれた家へのお祝いとして犬張り子が用いられるようになりました。

また、犬は忠誠心が強く、家を守る存在としても認識されており、魔除けや災厄除けの象徴としても扱われました。特に、子どもの初節句(生後初めての節句)や七五三などの成長行事において、犬張り子が飾られる風習が今でも残っている地域があります。

犬張り子には、首を振るものや車輪がついていて引いて遊べるものなど、さまざまな種類があります。首振りタイプは、子どもが手で軽く触れると首がゆらゆらと揺れ、その動きに子どもが喜ぶように工夫されています。また、体に描かれる模様には、厄除けの意味を持つ唐草模様や、幸福を呼ぶ梅や松などの植物が描かれることもあります。


また、子どもの健やかな成長を願う親の気持ちは、時代が変わっても普遍的なものです。犬張り子はその象徴として、今も多くの家庭で愛され続けています。安産祈願や初節句のお祝いとして贈られる文化は、家族の絆を深める役割も果たしているといえるでしょう。

さらに、持続可能な素材である和紙と、手作業による製作という点でも、現代の環境意識やスローライフ志向とも相性が良く、工芸としての価値も見直されています。

見た目の可愛らしさだけでなく、日本人の祈りや願いが込められた存在です。その背後には、家族を思う気持ちや、子どもの成長を願う真心、地域の伝統といった、目には見えない大切な価値が詰まっています。張り子という素朴な技法の中に込められた先人たちの知恵と愛情は、現代においても私たちに温もりと安心感を与えてくれます。

お宮参りのお写真で、当店では 犬張り子で撮影させていただいております。

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